鉛筆。
それは私たちに近すぎるがゆえに忘れられ、いつの間にかどこか片隅に追いやられてしまう存在。
日本に育ち、日本の小学校に通ったor通っているなら校則として定められ、それゆえ拘束されている感覚やどこか”鉛筆”その物が幼稚に見え、シャープペンシルへの奇妙な魅力に夢見てしまいがちであるのもまた事実。
でも鉛筆は全く持って拘束具でもなければ幼稚でもないこと。そして原始的であるからこそ魅力的である事にも気づいてほしい…そんな思いで綴ります。
まえがき
文房具、その中でも筆記用具に見せられた人はすでにこの良さに気づかれていて
「いまさら何を言うんだい?」と言われるやもしれません。
もちろん当ブログはあらゆるものの後発扱いであり、それゆえに先駆的な方の発言も今やどこかしらに散らばっている物です。
ですが、文房具が好きだからこそ知っている・語っている人がいても万人がこれについて理解を深めているわけではないと思っています。
たとえ「鉛筆がいい!」言っている人がいてもそれ以降は他のことばかり話題にしている事大(ミーハー)的な輩のなんと多いことか!
とはいっても私自身「万年筆の良さ…」なんて書いた口が言えることもないのですが。
「多趣味ゆえに致し方ない」
だからと言って、日常的に使っている人は”小学生”ないし”美大生”や”鉛筆系アート作家”と”その他少々”くらいでボールペンに比べればあまりいないのではないでしょうか?
ちなみに私は日常的に使用しております。それに肥後守です。
世間での文具への関心の高まりと「女子文具博」の開催も一文具好きとしては興味深いイベントでした…が!文具全体や一部の最新文具とういのではなく、我々から切っても切り離せない生活日用品の”一部”としてもっと鉛筆の存在感が高まってほしいところです。
鉛筆の良さ
それは、長い歴史によって磨かれた機能美にあふれたフォルムとその実用性の高さでしょう。
アメリカのNASAは、宇宙飛行士を最初に宇宙に送り込んだとき、
無重力状態ではボールペンで文字を書くことができないのを発見した。
これではボールペンを持って行っても役に立たない!
NASAの科学者たちはこの問題に立ち向かうべく、10年の歳月と120億ドルの開発費をかけて研究を重ねた。
その結果ついに、無重力でも上下逆にしても水の中でも氷点下でも摂氏300度でも、
どんな状況下でもどんな表面にでも書けるボールペンを開発した!!
一方、ソ連は鉛筆を使った。
※記事末に引用サイト記載
というジョークにもあるように芯さえ出ていればどこでも書くことできる信頼性の高さ。またボールペンや万年筆・つけペンや筆・5thインジェニュイティなどの筆記具に比べて最長の持久力を持っており、約50㎞書けることは有名でしょう(無駄なく使えればですが)。
それに加えて6角軸はエルゴノミクスのごとく”持つ”という行為と転がりを防ぐというシンプルな構造しか持たないながらも洗練され尽くされたデザインは他の追随を許しません。
それ以外にも木製であるため冬でも冷たくありませんし、何より置いたときの音がいい。「ししおどし」のごとくASMR(癒し)の音です。
またまた、表面を覆うメーカーごとに異なるカラーリングの幅の広さ。
それに高級品に至っては美しい塗装仕上げは国宝物です。
削りに関しては己の好きなように削れるナイフ削りや決まったように削れる削り機などなど木工作をしているような感覚になります。
鉛筆の周辺道具も多く、最近ではお洒落な補助軸やらレトロなクローム補助軸。
キャップならプラスチックのものからクローム鞘・革製の物まで幅広くなっています。
着飾る事の出来る道具として今やおしゃれ文具の仲間入りを果たしているのが”鉛筆”ともいえるのです。
こうした知り尽くされた利点は”当たり前”と思ってはいけません。
「出来ること」という特別な事なのです。
嫌煙される理由
一方、割と嫌と思われる側面もあるようです。
”削ること”です。鉛筆は濃い芯程減りが早く、その分何度も削らなければなりません。
そうでなくとも5本持ちしてローテーションを組んでもいつかは削るしかありません。
これを「面倒だ。」とか「削る感覚(感触)が嫌い」と言われたたことがあるのです(涙)
私としては「いやそこがいいんだろ!?」と反論したいのですが、いかんせん便利さや時短を徹底したい人からすれば些末な事のようです。
さすがに削りカスの匂いを嗅いで「あぁいい。はぁ~いい。尊い。」なんてまでとは言いませんがこの”削る”という部分の良さも人生の余裕、楽しみとして理解を仰ぎたいところです。
また鉛筆削り機によっても削り感覚が異なるので、良いものを使って削ってほしいのですが興味ない人に「回せ、回せ!」とせがんでも雲をつかむ程度の努力になりそうです。
「手(ナイフ)で削ってみて」と言っても危なっかしいとの一言で片づけられる始末。まあそうでなければここに書いてもないのですが…
挑戦しようという心意気すら見せてくれないのは、私自身のやり方もありましょうけれども、本人たちの本質的な興味のなさだと思わざる負えんところがあります。
鉛筆には取り巻く4つの人物像があると仮定しましょう。
1.マジな愛好家
2.純粋に好きな人
3.普通の人(無関心もここ)
4.あまり好きでない人
今までの話を当てはめると2の語る私(もしかして1かな?)と4の利便性に不安を抱く嫌いと思う人の話がありました。
あなたはどの部分に当てはまりますか?
私の言葉では難しいかもしれませんが、もう一度。鉛筆のことを掘り下げてあげてください。
普段から持っている人はさらに愛でると新たな発見があるかもしれません。
さらに言いたい!普段から使わされている小学生にこそ日常から新しい価値観を見つけ出してほしいのです。
引用サイト
「一方、ソ連は鉛筆を使った。」
https://www.lizard-tail.com/isana/review/view.php?search_id=20060631164916
引用こそしていませんがこちらの本は数少ない鉛筆専門本なので…
最新版のミドリブラスペンシルはこんな感じ↓
リフィルの入れ物も変わっています。昔の方が…いやなんでもない。
思惑に 消えゆく今も 古き良き