⚠ CAUTION-注意事項- ⚠
本記事で紹介する内容は自転車の修理です。
自転車も乗り物ですから人の命を乗せているものかつ周りにも影響する場合あるため修理・整備不良は大変危険を伴います。
詳しい解説を心がけるという本ブログの趣旨の下に書いていますが、すべての作業はご自身の技術の実力と相談し、自己責任で行ってください。これを参考に行って失敗したとしても私は一切の責任を負いません。Tenbellsta
どれだけ快く自転車に乗っていても音や違和感、振動といったものをふと気づくことがあったりします。なんなら「昨日は大丈夫だったのに…」みたいなこともあるでしょう。
これは自転車というものが一つの何かから削りだされた単一なモノではなくたくさんの部品によって組み立てられており、それら一つひとつがせわしなく操作されると同時に消耗し傷んでしまうからです。
そして私自身も身近にそれを体験することになった次第…
自転車を走らすと”ガタっガタっ”と周期的につき上げてくるようなそんな振動を感じる時ありませんか?
これはタイヤが変形していることで起こることだったりします。
まずは状態を見る
自転車のタイヤをまじまじ見ることなど空気を入れるときぐらいかもしれません。
ただ何か異常がある時には目を背けずにまず見て確認することが解決の糸口になります。
ぺろっ…⁉こ…これは青〇カリ!!(タイヤを舐めるほどの確認は必要はありません)
なんかゆがんでます…
よく見ていただくと分かりますが赤丸の部分で二か所同じように膨らんでいます
青矢印の部分が膨らんでいるので走ると突き上げるような衝撃が生まれるということですね
この膨らんでいるところの下にはチューブがあり、突き上げている状態になっているわけです
つたない図解ですがおおよそこんな感じ
中にケーシングと呼ばれる糸のような繊維が配置されており、強力な空気圧に耐えながらタイヤとしての形状を保てるようになっています。
それが切れてしまうと形状を保てなくなり今回みたいないびつな膨らみ方になるわけです
詳しいケーシングの配置はメーカーの企業秘密によるものだと思いますし、その力学まで私自身の理解が追い付いていないのですが”見た感じ”として、総じて見えてる表面ではタイヤ正面から見て斜めかつ一方方向(ちょうど図解の絵のように)に埋め込まれているのです。(おそらく中でクロスされるように配置されてるのではと思います…)
そのため一部が切れた時にまっすぐ膨れるのではなく、つまんで捻ったように膨らんでしまうと認識しています
今回はタイヤ本体が問題であるためタイヤとチューブ一式の交換作業で修理可能です。
タイヤだけの交換でも可能とはいえこの状態で走行していた場合チューブにもそれなりにダメージが入ってることは言うまでもありませんから交換ですね。
同様にタイヤが歪んでいる原因でよくあるのが車輪(ホイール)自体が変形している事態もあります。こうなるとそもそもタイヤが回せないとかブレーキがかかってしまうとかがあるので判別はしやすいと思います。
では修理していきます
今回は前輪側ということで交換は後輪に比べると簡単です。
なんたって外すパーツも少なく済みますからね
まずは準備
〇パーツなどなど
・タイヤ
・チューブ
・リムテープ(今回は再利用しました、安いモノなので可能な限りは交換推奨)
・ハブナットキャップ(初めからついていない場合や不要な場合は付けなくてもよい)
タイヤはコーn…ホームセンターで買ったものを用意しました。
シンコー製なので安くてよいですね
古い軽快車にはこれくらいのグレードが型にはまります
ビニールグルグル巻
こちらはタイヤのみなので本来チューブも買う必要がありますが、なんとストックしてる余剰チューブがあるので今回はそれを使います。(もちろんサイズが合うものを選ぶこと!)
すぐ交換できるように両方ストックしたいところ…ただこの手のタイヤは畳めず輪っかで置いとかないといけないから超場所取りなのです…
工具などなど
・空気入れ(一般的には軽快車なら英式、スポーツ系なら仏式、米式が必要です)
・スパナ(10、8)
・タイヤレバー(2本から3本、ものによっては1本でいけるときもあります)
・ラチェットレンチ(14、15)
(・必要があれば敷くもの、段ボールとかタオルでも)
使うのはこれだけ
修理はじめ
タイヤにチューブを付けます
この時初めだけ輪が広がるくらいに軽く空気をチューブに入れた状態だと付けやすいです。ただし車輪にハメ入れるときには空気は抜いてあげないと大変入れづらくなります。
ただこの作業はタイヤを車輪にハメるときにチューブを入れ込む方法もありますから、やりやすい方法を取ってもらえたらと
車輪を外す
車輪を外していきますがこの車体はオートライト(BSにちなんでテントウムシとかも言われます)ですので配線をはじめに外す必要があります。
またこの時に一度、点灯確認を行うのをお勧めします。というのも修理後にライトが付かないのが元からなのか修理後からなのか判断できなくなるためです。
仮に外し忘れても車輪を外すときに繋がっているので気付くと思います。ただし無理に引っ張ってしまうと断線したりすることがあるので最初に外しましょう
こちらは1線タイプです。ほかに2線タイプや2線のソケットタイプものもありますけれども構造は引っこ抜くだけで大概外れます。ソケットタイプに関してはマイナスドライバーで隙間を開けた方が外しやすいですよ。
それぞれ断線させないように注意しましょう。
上の写真ではしれっと外れていますがハブナットキャップ(カバー)が付いているなら外しましょう。(樹脂なので劣化しているときは割れたり崩れたりします、これがなくても特に問題はありませんが必要なら一緒に買っておいてもよいでしょう)
ハブナットをラチェットで緩めます一般的なママチャリのような軽快車なら14ミリで緩めることが出来ます。
ラチェットがない時はスパナやレンチでもサイズが同じならば代用可です。注意して欲しいのが柄や全長が短い工具だと力を入れづらく&緩めづらいだけなく、締め付けが緩くなる時があります。
締め付けもそれでするときは締め付けが極端に弱くならないようにしましょう。
同じナットタイプでもスポーツや一部の車体では15ミリだったりそれ以外の時もありますから注意してください
両側のナット類を外した順番はこのようになります。
内側のワッシャーには爪が付いていてフォーク(車輪を支えている足)の穴に引っ掛けて車輪が抜け落ちないように造形されています。簡単ですが確実な方法ですね
泥除けと籠のステーを外します。とはいえ横にぶら下げて置くだけです
外す前に空気が入った状態ですとブレーキキャリパーやシューに引っ掛かって抜けません車輪を抜く前に空気を抜くのも忘れずに
上の方のゴムが割れてきています。空気抜けの原因にもなるのでこういう時はこのまま再利用せずに交換するレベルですね。
チューブを新品で買った場合は付属していますのでご安心を
さていよいよ車輪を本体から外します!
ブレーキに引っ掛からないように抜いてしましょう!
おや…?何か落ちてきましたね?
これはハブダイナモについている部品の一つ”葉付き座金”と呼ばれるものです
他の留め具類と違ってフレームと車輪の間に挟まっており、これも車輪が回転するときに共回ったりガタつきが出ないように固定してくれる部品…かと思っていたのですがどうも塗装面をこのキザ歯で削らせてフォークの金属面を出して通電させるものらしいです(記事下の参考サイトにて)。ネット情報なので正しいのかは分かりませんが間違いでもないような。なおなくてもライトは点灯する場合もありますし、2本線はそうでなくとも通電するとのことで要らないとか何とか。やっぱり本来の目的もありそうですね。今後の研究期待です
どんな理由であれオートライトならではのパーツなのでなくさないようにしたいところ。
それはそうと…
「車輪を外してしまうと立てれないじゃないか!」とスタンドを探しながらお怒りになるかもしれませんが落ち着て!
車輪を固定していたフォークで足が2本ありますから写真のようにすれば置いておけます。
ただし直置きすると傷が付いたりするので気になる方は何か敷くなり養生しておきましょう。敷くところは泥除けの後ろ側からフォークまでが理想ですね
タイヤを外す
外した車輪からバルブナットを外します。
チューブと車輪を固定しているナットです。
軽く締まっているだけだと思いますので緩めましょう
ここでようやくタイヤレバーの出番です
タイヤとリム間をめくるように1本目を差し込んで、持ち上がったところに沿ってもう一本で引っ張り出すイメージ
一本目から離れたところに差し込んでしまうと硬くて外せないこともありますから近い位置から持ち上げていき、外れてきたらタイヤに沿わせてスライドするように動かすと素早く外せます。
使い古したタイヤなら柔らかいので1本で外せる場合もあります。最低でも2本あればほとんどの車体に対応できるでしょう。
今回は金属製のタイヤレバーを使いましたがプラスチック製もあるので傷などが気になる場合はそちらも良いでしょう。
ただし硬いタイヤに関してはプラスチック製だと折れる可能性があるので無理は禁物です
膨れていたタイヤの内側です。
タイヤからケーシングが引きはがれて浮いています。”内側から割れた”というのが一番近い表現かも。
空気の入れ過ぎとか劣化とかが重なってできたのかな
傷口に接していたチューブです。見かけは綺麗に見えますね。
よく見たら若干削れてるかなってレベルです
少し膨らましてみました、微妙ですが少し膨れてるかなって感じ。
再利用できなくない状態ですが念のためこちらも一緒に交換します
こちらはリム側
特に目に見えるような痛みはありません。
金属ですからね。変形はしにくいはず
わざわざ変えるほどの歪みでなければ問題ありません
リムテープも痛みはありますが致命的ではありませんので再利用(皆さんはできるだけ交換してくださいね!)
どこまで修理するのか決めるのは修理の醍醐味です
悲しいかな安い車体を勇んで修理し続けるよりも本体ごと買い替えて全部変えてしまった方が場合によっては早くて安上がりですし
タイヤを取り付ける
さてタイヤの側面片側を車輪に取り付けました。
付けながら撮れなかったので完成図から
こんな感じでタイヤの側面片側を車輪に取り付けてます。
私は最初にタイヤへチューブを入れ込みましたが、この状態でももう片側が袋のように開いていいるのでその隙間にチューブを詰めていくのもOK
その方が入れやすいかも?
ここで折り返し地点です。
タイヤのもう片方の側面も車輪に取り付けます。
基本は手で押し込むだけで入っていきます。
この時バルブ(空気入れるところ)から入れていくとチューブを挟み込みを防ぎやすくできます。
ある意味でここが最難関かもしれません。押し込むだけだと入りづらいことが多いのです。ある程度最後まで入れ込めたら。持ち上げるように全周ハメてしまいます。
もちろんチューブもしっかりタイヤに入れてくださいね。
どうしても入りにくい時はタイヤレバーを駆使すると楽に入りますが、チューブをリムとタイヤに噛み込ませてしまうことが多いので個人的には最終手段扱いです笑
最後にタイヤとリムの内側を指で押しながら見てみてチューブが見えなければ噛み込んでいない証拠となります。
多少見えていても最後チューブに空気を入れた時にビード(タイヤの中にあるワイヤー材)部の線(2つ下の絵の緑の線)がリムから出ており、かつ均等に見えていれば問題ありません
おっと…その前にバルブが曲がって入っていますね。
これも出来るだけ修正したいところ
本題はもう一つ下の写真のようにまっすぐ入っており、こうなっていないとバルブの付け根にダメージを与えてしまう可能性があります
修正しました。バルブ付近のタイヤをバルブの倒れている方向につかんで引っ張ってずらす(ぐいぐいとスライドさせる感じ)と修正できます。もし硬すぎて修正できない時はもう一度タイヤ片側を外して位置を直してからタイヤをハメ付けましょう
めんどくさいですが後々怖いですからね
先ほどのビード線の出具合やバルブの位置が心配な時は車輪を本体に戻す前に一度空気を入れて確認するのが安心でしょう。
取り付けるときはタイヤが引っ掛かるので空気を抜いてくださいね
車輪を本体に戻す
ようやく車輪を本体に戻していきます
その前にこの部品覚えていますか?
この”葉付き座金”も付け忘れないようにしましょう。
上記に書いたようになくとも車輪は回りますがライトが付かなくなるかもしれません(実体験ではこの説明通りでなくなぜか点く時もあります)
おそらくこのパーツは本来の理由でついてるのでしょうね。本体へのナットの締め付けを強くし過ぎると点かない時もありますしある程度まで締め付けてがたつかないように的な?
ハンドルを持って浮かして入れます。
持ち上げれればどこでも構いません!
この時先ほどの葉付き座金がフォークと車輪の間に収まるようにします。
スッと入ったと思ってもこれが外側にいることもよくありますので要確認です。
こんな感じ
ナットとかワッシャーを取り付けます。
爪付きワッシャー→泥除けステー→かごステー→ワッシャー→ナット→キャップとなります。
順番通りに入れていくのと一番内側の爪つきワッシャーをフォークの穴に入れ忘れないようにしましょう。
これで締めこんでいきます。
最後の調整
車輪が進行方向にまっすぐになっているかを確認するためにフォークとリムの間に指を入れて左右の間隔を均等にします(写真なくて申し訳ない)
これが極端にずれていると回転しませんしブレーキの片効きに繋がりますからこれも大事な作業です。
合わせながらナットを締めこんでいきます。
トルク管理というところで言うとあまりよくありませんが手感覚で行いました
体重を入れず叩かず強すぎず弱すぎず締めこんでください。クッと締めこんで軽く戻して緩まなければ適正?かなっという程度。いやもうちょっと締めこんだ方がいいのかな?感覚は文章で伝えるものではないですね(だからこその数値化なのですが笑)
この作業の終わりにブレーキも左右均等にリムから離れているか確認してください。
もし引っ付いているときはブレーキの位置調整もここで行います。
ライトの線を戻します。
差し込むだけでいいですね
余っていたスペシャルバルブを使います。
虫ゴムが要らない画期的なものですが痛み具合が分かりにくい欠点もあります。
通常の虫ゴムよりは寿命は長い印象です
バルブナット→虫ゴム→袋ナット→キャップの順でバルブに取り付けます。
空気入れて
バルブナットは空気を入れると浮き上がってくるので緩いままでOK。空気入れ終わってから最後に締めます
余り力いっぱい締める必要はありません。緩く止まる程度で十分固定できます。
目安は手で緩まないくらいですかね
キャップも忘れずに
キャップ自体はなくても空気は抜けませんのでなくても問題ありません。
ただプランジャー(虫ゴムの金属部分)の口を保護できるので、あれば付けておくに越したことはないでしょう
ハブキャップも同様に取り付け
これで修理完了です!
…あっ
調整できるタイプの結束でよかった笑
これは父が傘を挿すために付けているものです
傘がない時はスポークに当たりそうな気が…
ライトの点灯も確認!
(真)修理完了です!
タイヤは丸めてポイします。
もし無理なら近くの自転車屋にその旨を伝えれば回収してくれると思います(いい顔で対応してくれるかは分かりませんが笑)
タイヤ1、2本程度なら許容してくれると思いますよ
アトガキ
今回は自転車の修理回です。
以前STRiDAの内容が自転車記事初でしたが修理記事はこれが初めてですね。
私自身自転車が好きなのでこうした修理とか簡単なカスタムとかをちょいちょいしていますがそろそろ自分史上最高の自転車が欲しいなと考えている今日この頃。
旧車(レトロ自転車)が好きなのでランドナーがいいのですが今時なグラベル何とかも気になるところで一概に”高いからいい車体”ではなく自分にとって”理想の一台”を目指い鯛ですね
でも場所がない…自転車って嵩張るのだよ…
またこういった記事も増やしていきたいです!進捗は亀もビックリな歩調ですが!
手掛けられ 愛でられたモノ 輝けり
〇参考サイト
www.hhk.co.jp(最終閲覧2024.10/19)
detail.chiebukuro.yahoo.co.jp(最終閲覧2024.10/19、ベストアンサーでなくその下の回答にて座金の内容があります)
detail.chiebukuro.yahoo.co.jp(最終閲覧2024.10/19)